女子100メートル障害・田中佑美 堂々連覇「一安心」 モデルも挑戦美女ハードラーパリへ跳ぶ

 「陸上・織田記念国際」(29日、ホットスタッフフィールド広島)

 女子100メートル障害は、昨夏の世界選手権代表の田中佑美(25)=富士通=が13秒00(向かい風0・1メートル)で2連覇を果たした。パリ五輪参加標準記録となる12秒77の突破はならなかったが、初の五輪切符獲得へ好調ぶりを見せつけた。男子3000メートル障害は、東京五輪7位入賞の三浦龍司(SUBARU)が同種目での今季初戦で8分22秒07の大会記録で優勝したが、パリ五輪参加標準記録(8分15秒00)を突破できず、今大会でのパリ五輪代表内定はならなかった。

 実力者がそろった雨天レースで、ひときわ強かった。田中は混戦となったレースで終盤に抜けだし、日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)との一騎打ちを制した。元日本記録保持者の青木益未(七十七銀行)も抑えて堂々の2連覇。「ある程度の記録が出て一安心。12秒台は出なかったけど、落ち着いてレース運びをする確認ができた」と控えめに喜んだ。

 昨季は日本人4人目となる12秒台をマーク。世界選手権に初出場するなど一気にブレイクした。172センチの高身長を生かした走りで、五輪イヤーも好調ぶりを見せつけた。

 幼少期にクラシックバレエを習っており、宝塚音楽学校を目指していたこともある。実際に同校の願書を取り寄せるところまではいったが、本気で志すには「腰が重かった」と、自身の気持ちを自覚したことで受験を断念。その後は中学から始めた陸上に専念した。

 今オフには「陸上を見たことが無い人にも興味を持ってもらえるいい機会」と、女性向けファッションメディア『BAILA』でモデルにも挑戦。反響も大きく「いいリフレッシュになった」と笑う。「舞台に立つことは昔から好きだった。注目していただくことは昔から目指していたことに近いのかな」と思わぬ夢もかなえた。

 昨季は世界選手権に初出場したが、予選敗退で「かなり後悔の残る世界デビューだった」と振り返る。今夏のパリ五輪出場へは、6月の日本選手権(新潟)で結果を残すことが最重要になる。「昨年のリベンジができたら」と、ハードル界の“トップスター”へと駆け上がる。

 ◆田中佑美(たなか・ゆみ)1998年12月15日、大阪府出身。幼少期はクラシックバレエを習い、中学から陸上を始めた。関大第一高を経て、立命大に入学。20年セイコー・ゴールデングランプリ4位で、日本選手権は22年、23年大会ともに3位。23年世界選手権代表で、同年のアジア大会は3位だった。趣味は宝塚歌劇鑑賞とお菓子作り。172センチ。

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